前日にお弁当を詰めて準備することは、忙しい朝に役立ちますが、その後の保存方法や扱いについて疑問が生じることがあります。
例えば、翌朝、お弁当をそのまま持って行くべきか、それともレンジで暖めるべきかという疑問です。おかずが傷むのを防ぐためにはどのように対処すればよいか、適切な保存方法や取り扱いについて解説します。
お弁当を前日に詰めるときの注意点
お弁当を前日に詰めるときに一番重要なのは、食品が次の日の昼まで新鮮なまま保つことです。しかし、朝は忙しくて時間がないことが多いので、前夜に弁当を準備しておくことが便利です。
夜食の残りや特別に作ったおかずを弁当箱に詰め、冷蔵庫で保管するのが一般的ですが、注意が必要です。冷蔵庫で保存しても、前日に作った食品には食中毒を引き起こす菌が増殖しやすい環境があります。特に、前夜に作っておいた弁当のおかずは、条件によっては菌が繁殖しやすくなります。
弁当を安全に持ち運ぶためにも、食中毒に関する基本知識を身につけることが大切です。後ほど、弁当を温める方法について詳細を説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
保健所の食中毒予防の3原則は「つけない」「ふやさない」「やっつける」です。これらは食中毒を引き起こす菌を防ぐための基本原則です。
お弁当の調理においても、これらの原則を念頭に置くことが重要です。過度に神経質になる必要はありませんが、調理から詰める過程において、菌の付着を最小限に抑える方法を選ぶべきです。
例えば、食品に直接手で触れないようにする、味見に使った箸は再使用しないなどの注意が必要です。また、お弁当箱やおかずカップなども直接手で触れないようにすることが重要です。
調理器具やキッチンの定期的な漂白・殺菌による清潔維持も大切です。お弁当に入れるおかずは十分に加熱して、細菌やウイルスを死滅させます。
汁気の少ないおかずの選択、特に生野菜の使用には梅雨から夏にかけて注意が必要です。これらは菌が増えやすいため、使用する際は温度管理を徹底することが重要です。
前日に作ったお弁当は、冷蔵庫に保管しておくだけで問題ない?
前日の夜に準備したお弁当を冷蔵庫に保管しておく場合、そのまま持って行っても安全かどうか疑問に思うことがあります。「朝に温め直した方が良いのかな?」と悩むこともあるでしょう。
実際、我が家では朝忙しくて温めないことが多いんです。普段は前夜におかずを弁当箱に詰めて冷蔵庫で保管し、朝に新しく炊いたご飯を加えています。フタをして完全に冷ましてから、昼まで職場の冷蔵庫で保管します。
これは一般的に推奨される方法ではないかもしれませんが、職場には冷蔵庫と電子レンジがあり、今まで健康上の問題は起きていません。職場がすごく近いので、到着後すぐにお弁当を冷蔵庫に入れます。食べる直前に電子レンジで温めるので、これで問題ないと考えています。
最新の書籍やインターネット上では、作り置きしたおかずを冷蔵庫から直接持ち出しても問題ないという意見が多いですね。
しかし、農林水産省が発表する食中毒予防の指針では、夏場に作り置きした料理を利用する際、冷蔵庫で保存していたものでも、お弁当に詰める前には加熱することが推奨されています。
実のところ、冷蔵庫で保存しているからといって完全に安全というわけではありません。食中毒を引き起こす菌は、温度が5度以下または60度以上の環境下では増殖が抑えられます。つまり、この温度範囲外では、たとえ微量でも菌が増殖する可能性があるのです。
家庭用の冷蔵庫は頻繁に開閉され、一定の温度が保持されないこともよくあります。調理後、食べるまでの時間が長引くと、冷蔵庫内で保存していても菌が繁殖する恐れがあることを覚えておく必要があります。
※ちなみに、これは前夜に準備したおかずだけでなく、購入した惣菜をお弁当に入れる際にも当てはまります。
お弁当を前日の夜に詰めた時の正しい温め方は?
以前に作ったお弁当を再加熱する際のポイントについて、理解していただけたでしょうか?
それでは、具体的な加熱方法についてお伝えしましょう。衛生面から考えると、冷蔵庫で保存したお弁当のおかずは、朝取り出してから湯気が出るほどまでしっかりと加熱し、早めに冷ますことが重要です。
この方法で、細菌の数を効果的に減らすことができます。所要する加熱条件は、「75度で1分間」です。ただ軽く加熱するだけでは、温度が中途半端になり、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。そのため、加熱は不十分な「温め」ではなく、しっかりとした「再加熱」を心がけましょう。
中途半端な加熱では食品の安全性が損なわれる可能性があります。お弁当を再加熱する際は、十分な火を通すことが肝心です。
お弁当の温め直しを行った後は、効果的に冷却することが重要です。例えば、ファンを使用するか、手でうちわを使って早く冷やしましょう。温かいおかずを入れた状態でお弁当の蓋を閉じると、蒸気がお弁当箱内部に凝結し、これが微生物の増殖に繋がる可能性があります。
ごはんを入れた後に蓋を少し開けておくことで冷ますことはありませんか?その蓋には、ご飯が冷める際に発生する水蒸気が付着しています。この水分をしっかりと拭き取り、その後に蓋をすることが大切です。
朝の忙しい時間帯には、電子レンジを使ってお弁当を中までしっかりと温めることができます。これにより、他の準備をしながら時間を有効に使えます。
前日に作ったお弁当を冷蔵庫に保存する際は、電子レンジ対応のお弁当箱を使用しましょう。また、ジメジメした梅雨や暑い夏の期間は、保冷剤を入れることを忘れないようにしましょう。
最後に
季節によって若干の違いはありますが、今回ご紹介したのは、お弁当を安全に持ち運ぶための基本的な方法です。気温が低いからと言って油断せず、いかなる季節にも食中毒のリスクに注意しましょう。
最も安全な方法は、お弁当箱に詰める前におかずを十分に加熱し、しっかりと冷ましてからお弁当箱に入れることです。
このポイントを押さえておけば、事前に作ったおかずをお弁当にするのも心配なくできますよ!