余分に茹でてしまった、または潰したジャガイモで、マッシュポテトをどう保存すればいいか気になっているあなたへ。自宅で作ったマッシュポテトをいかにして冷蔵や冷凍で長持ちさせるか、その保存方法と期間を詳細に解説します。
ジャガイモは痛みやすい食材であり、通常は冷凍に適していないとされますが、適切なマッシュポテトの調理と保存技術を用いれば、冷蔵や冷凍保存が可能となります。
マッシュポテトの冷蔵保管は?日持ちする目安はどのくらい?
マッシュポテトを余分に作ったり、食事で使い切れずに残った場合、冷蔵で保存が可能です。この時、密閉容器に入れ、フタをして保管すると、おおむね2日から3日程度は持ちます。特に手作りの場合、具体的な賞味期限や消費期限がないため不安に感じるかもしれませんが、春から冬にかけては最大3日間、夏場では2日間が保存の目安となります。
マッシュポテトの鮮度は外見だけでは判断が難しく、保存には特に気を使います。特にジャガイモは加熱すると他の野菜より早く劣化する傾向にあります。
それでも、清潔な容器に入れて適切に冷蔵することで、2〜3日間は品質を保つことが可能です。ただし、冷蔵庫の扉の使用頻度が高い家庭では、2日間を保存の目安と考えると良いでしょう。
作り立てのマッシュポテトはまだ温かい状態ですので、粗熱を十分に取ることが大切です。温かいうちに保存すると、容器の蓋や食材の表面に水分がつきやすく、それが原因でマッシュポテトが早く悪くなる原因になります。
作り置き用のマッシュポテトを長持ちさせるコツ
マッシュポテトを新鮮に保つコツは、水分量を控えめにすることが重要です。
保存を目的とする場合、お肉やハム、ベーコンなどの具材を加えると劣化しやすくなるため避けた方が良いです。効率的な方法としては、単に茹でて潰すのではなく、茹でた後に水気を飛ばす工程を加えることで、より少ない水分で仕上げることが肝心です。
また、マッシュポテトにバターや生クリームを加える場合、これらの成分が水分を増加させてしまい、劣化の原因となるため注意が必要です。
したがって、バターや生クリームを使用する際は、保存したマッシュポテトを食べる直前に加えることで、品質を保ちつつ、通常の調理法とは異なるアプローチで長期保存することが推奨されます。
マッシュポテトの冷蔵保存する時の注意点
マッシュポテトを作成した後、適切な保存方法で新鮮さを保つことが大切です。まずは、密閉できる保存用容器(ファスナー付きプラスチック・バッグや平らなタッパーなど)を用意し、ふたを確実に閉じて冷蔵します。この過程で、容器をアルコールベースのキッチン専用消毒液で清潔にすることが重要です。
特に、マッシュポテトを保存する前に容器をきれいにすることが重要です。スプレータイプのキッチン用アルコール消毒液を使用し、容器の内側から外側、蓋の裏面から表面へと順番に清掃します。最終的に、拭き取ることで清潔に保ちます。
マッシュポテトは温かい状態だと容器内で水蒸気が発生し、それが腐敗の原因になるため、冷めてから冷蔵庫に入れることが肝心です。
余ったふかし芋をコロッケの中身として再利用
余分になったふかし芋を有効活用する方法として、マッシュポテトにして冷蔵で保存したり、後日コロッケのタネとして使用することができます。コロッケのタネとして再利用する場合は、衣を付ける前の状態で保存します。それぞれを個別にラップで包んだ後、トレイ全体をもう一度ラップで覆い、冷蔵庫に保管します。この保存方法は、使用予定日の前日までであれば、2日間は新鮮さを保つことができます。
マッシュポテトの冷凍保存方法と期間
マッシュポテトを冷凍で保管することは可能で、概ね2週間から1ヶ月が保存の目安期間とされています。空気を減らして保存することで、品質を長持ちさせることができるため、【ジップロック(袋タイプ)】を使用するのが一般的かつ推奨されています。さらに長期間の保存を望む場合は、真空パック袋を使用して空気を完全に抜き取る方法が効果的です。
マッシュポテトに利用するジャガイモについては、冷凍保存が可能かというと、それは不可能ではありません。ジャガイモを保管するには5度が理想的な温度とされていますが、原形のままでは冷凍には不適切です。ジャガイモをマッシュポテトのように潰してから冷凍する必要があります。そうしないと、冷凍後のジャガイモは質感が悪くなりがちです。
これまでに、マッシュポテトを冷蔵や冷凍で保存する際の、余分にできた分や予め作っておく際の適切な方法について説明しました。
「次のページ」では、冷凍マッシュポテトを解凍した後においしく食べるコツや、万が一室温で長時間放置してしまった場合の傷みやすさ、腐敗した際の識別ポイントについて述べています。
冷凍マッシュポテトの再加熱と解凍テクニック
冷凍保存したマッシュポテトを戻す際には、室温や冷蔵庫でゆっくり解凍する方法と、電子レンジで迅速に温める手段が存在します。ゆっくりと自然に解凍するのが推奨されます。一方で、電子レンジを使用すると解凍時間は短縮されますが、部分的に硬くなるリスクがあり、操作を複数回繰り返す必要が出てきます。
マッシュポテト | 解凍時間 | 美味しさ |
常温:自然解凍 | 1時間~2時間 | 〇 |
冷蔵庫:自然解凍 | 6~8時間 | ◎ |
電子レンジ | 解凍モード | △ |
電子レンジ | 600W:30~40秒 | △ |
冷凍保存したマッシュポテトを食べる際は、自然に解凍させるのがベストです。解凍に必要な時間は保存した量によって変わるため、食べる前日の夜やその日の朝に冷蔵庫に移しておくと良いでしょう。
電子レンジを使ってマッシュポテトを温め直す場合は、水分の蒸発を防ぐためにラップをかけた状態で加熱します。これにより、マッシュポテトの質感を保つことができます。
弁当に冷凍マッシュポテトは利用可能か
冷凍マッシュポテトは室温での自然解凍が可能です。冷凍状態のまま弁当箱に入れると、昼までに解凍されて食べごろになり、さらに保冷材としても機能します。
弁当に添える際は、食べる分だけをおかずカップに入れて分けておくと便利です。保存は、冷凍トレイにカップを用いると良いでしょう。ただし、紙やアルミ製よりも、シリコン製のカップを使用する方が、冷凍しても形が保たれやすく、おすすめです。
室温でのマッシュポテト保存:いつまで安全?
理想的な保存環境下でのジャガイモは、おおよそ4.5度の低温、90%から95%の湿度が最適であり、直接的な日光を避けた冷涼なスペースでの保管が推奨されます。そのため、マッシュポテトの室温での放置は推奨されず、冷蔵された環境、特に10度以下の場所での保管が適しているとされます。
市販されている真空パック加工のマッシュポテトの場合、常温または冷蔵での保管期間が最大2か月とされているものもあり、「真空パック=新たな菌の侵入阻止」に加え、防腐効果を持つPH調整剤が含まれている場合があります。
自宅で調理した、またはスーパーマーケットで購入したマッシュポテトの場合、室温で保管する際には「その日のうち」が基本であり、夏期にはラップや容器でカバーしても乾燥を防ぎつつ、約半日を目安と考えてください。これは、自家製や店舗購入のものが真空パック製品とは異なる原材料や製造過程を有しているためです。
マッシュポテトを作る際は、ジャガイモを先に茹でることで、食中毒を引き起こす主な細菌は75度で1分間加熱することにより死滅します。
春、秋、冬など夏以外の季節では、作成当日中の消費を目安とします。
夏期や6月以降の20度以上の気温が見込まれる季節においては、保管期間を「半日以内」にし、最長でも6時間までとするのが一つの基準です。
28度で細菌が急速に増殖すると言われていますが、25度以上の環境では約1時間で菌が活動を始め、温度が上がると10から15分で細菌が発生しやすくなります。そのため、高温の場所では3時間以内でも保存は非常に危険です。
傷んだマッシュポテトの特徴と判断基準
マッシュポテトが保存中にどのように劣化していくか、または既に劣化してしまったかどうかを知る方法はありますか?味が大きく変わり、「新鮮な時とは異なり酸っぱい」と感じることがありますが、味での確認は避けた方が良いです。わからない場合は、「①匂い」、「②色の変化」、「③外観」を基に最初に判断しましょう。
マッシュポテトの劣化を促進させる主な原因は、水分です。ジャガイモは加熱後に特に劣化しやすく、マッシュポテトでは水分を多く含むバターが使用されることもあり、これが腐敗の原因となることがあります。
マッシュポテトが完全に劣化してしまった際には、「酸っぱい匂い」が特徴です。これは腐ったマヨネーズのような脂っこい匂いと酸味のある匂いが混ざったようなものです。
外観での識別は「色の変化」が一番わかりやすいです。元の白さを失い、茶色がかった変色が見られる場合、それは警戒が必要です。表面が「ぬるぬるしていて、水分が現れ、糸を引く」状態のマッシュポテトは、もはや食べるには安全ではありません。
最後に
この度は、洋食やハンバーグの日にぴったりなサラダに加えられるマッシュポテトの保管方法と、その新鮮さを保つ期間について、室温や冷蔵、冷凍を含めた保存技術をご紹介しました。
ぜひ、この情報を活用してみてください。