冷蔵庫にしまっていた納豆を食べてみたら、なんとなくじゃりじゃりとした感じがして味が落ちたような… そんな経験はありませんか? 「食べても大丈夫かな?」と思うこともあるでしょう。 この納豆特有のじゃりじゃり感は、「チロシン」というアミノ酸の結晶によるものです。
安心してください、これは身体に害はありませんので、食べても大丈夫です。 ただし、食感が気になるかもしれませんね。
この記事では、納豆のじゃりじゃりの原因を解説し、それでも納豆を美味しく食べるコツや、そもそも粒々感を防ぐ方法をお伝えします。
納豆のじゃりじゃりの食感はアミノ酸だった!
納豆特有の独特な食感は、実はアミノ酸に由来しています。これは安全で食べても全く問題はありません。
この食感の原因について詳しく説明しましょう。
納豆のじゃりじゃりは「チロシン」
具体的には、納豆のじゃりじゃりの食感は「チロシン」という特定のアミノ酸によるものです。
納豆菌の活動がこのチロシンの生成に大きく関与しています。納豆は大豆を納豆菌が分解することで生じる食品です。この分解過程において、大豆のタンパク質がアミノ酸に変わります。これは基本的な生物学の原理です。
つまり、納豆菌による大豆の分解がチロシンの生成を促すわけです。
さらに、通常の納豆には見られない特徴からも、これは過剰な分解によって生じたものであると考えられます。
納豆のじゃりじゃりは食べても問題ありません
納豆に見られる粒状の感触は「チロシン」という物質に起因しています。これはタンパク質が分解されて生成されるアミノ酸の一種で、このようなじゃりじゃりの納豆を食べても健康上の懸念は全くありません。
さらに、チロシンは体内で生成されない非必須アミノ酸であり、食品から摂取することが推奨されています。つまり、このような納豆を積極的に食べることは良いことです。
納豆のじゃりじゃり感は好みが分かれる
栄養面でのメリットがあるとはいえ、じゃりじゃりの納豆は味に関して賛否両論があります。粒状感を楽しむ人もいれば、その食感を好まない人も多いようです。理想的には、この粒状感を抑えることが望まれることもあります。
納豆がじゃりじゃりする原因
納豆がじゃりじゃりになってしまう理由を知り、そうならないよう参考にしましょう。
じゃりじゃりする原因は発酵の進みすぎ
じゃりじゃりするものの正体はチロシンの結晶。そして、チロシンは納豆菌が大豆を分解しすぎる、つまり大豆の発酵が進みすぎることでできるものです。
そして、発酵が進みすぎた状態になる原因としては、以下の二つが考えられます。
・古くなりすぎた
・常温保存していた
じゃりじゃりした納豆は、賞味期限を過ぎていませんでしたか?
納豆の賞味期限とは、納豆の発酵が進みすぎず、おいしい状態をキープできる期限のこと。
賞味期限を過ぎてしまった納豆は、発酵が進みすぎてじゃりじゃりする可能性が高くなります。
また、たとえ賞味期限を過ぎていなくても、常温保存していると発酵が進みやすくなります。
特に暑い季節は要注意です。というのも、納豆菌の活動が最もさかんになる温度とは約40℃。
暑い夏に常温で放置していると、あっという間に発酵が進んでしまうこともあるからです。
ひきわり納豆はじゃりじゃりしやすい
ひきわり納豆は、一般的な納豆と比較して、じゃりじゃりの食感を持つことが多いです。これは、粉砕された納豆が細かいため、納豆菌が分解しやすく、結果的に発酵が促進されるからです。
納豆が発酵し過ぎるとどうなるの?
納豆が過度に発酵すると、粗い食感以外にもいくつかの変化が見られることがあります。長く発酵した納豆は、次のような特徴を示すことがあります。
まず、食べた時のじゃりじゃりの食感の他に、苦みを感じることがあります。この苦みはアミノ酸の味わいであり、体に害はありません。さらに、通常よりも強い匂いがすることや、食べると鼻を通って抜けるような感覚を覚えることもあります。大豆の表面に白い粒状のものが見られることもあるかもしれませんが、これはチロシンの結晶で、安全に食べることができます。
じゃりじゃりになった納豆の美味しい活用法
粗い質感の納豆が安全であることは理解していますが、美味しさに欠けることがあります。残っている納豆を捨てるのは惜しいですが、どうやって美味しく食べることができるでしょうか?
(1)みそ汁への追加
みそ汁に加えることで、納豆の粗い感触を感じにくくなります。これは簡単で効率的な消費方法かもしれません。
(2)卵との組み合わせで焼き料理に
卵焼きは、納豆を美味しくいただくための一つの方法です。ネギやごま油を加えると、風味が増してさらに美味しくなります。納豆を使ったオムレツも良い選択です。
(3)納豆スープの作成
納豆スープは山形県の伝統料理です。納豆を細かく刻んで、すり鉢でよく潰してから、お味噌が入った出汁で煮ることで、粗い質感は気にならなくなります。
納豆がじゃりじゃりにならないようにするには
納豆がじゃりじゃりになると美味しさが損なわれますね。それを避けるにはどんな対策があるのでしょうか?美味しい納豆を楽しむために、適切な方法を学んでみましょう。
■消費期限を守る
納豆がじゃりじゃりにならないためには、過発酵を防ぐことが重要です。つまり、発酵が進み過ぎる前に食べることがポイントです。これを実現するためには、製造者が設定した消費期限を守り、その期間内に食べるのがベストです。
消費期限は、納豆が最も美味しく食べられる期間を指します。期限が過ぎると、納豆の発酵が進み過ぎ、本来の味を楽しむことが難しくなります。なるべく期限内に食べ切ることを心掛けましょう。もし食べきれない場合は、冷凍保存するのも一つの手です。
■購入後は速やかに冷蔵
納豆を室温で保存するのは避けましょう。必ず冷蔵庫で保存してください。室温では納豆の発酵が早まり、硬くなりやすくなります。特に気温が高い時期は、購入後すぐに冷蔵庫に入れることが大切です。